折曲げの応力を分散させるため

折りたたみiPhone、折り目解消へ。「二層ガラス」新構造の狙い

多根清史

Image:Kardasov Films/Shutterstock.com

今後、アップルの折りたたみiPhoneが登場すると期待されている。この製品について、ディスプレイの折り目を目立たなくするため、2層構造の超薄型ガラスを採用するとのサプライチェーン情報が伝えられている。

中国Weiboを拠点とするリーカーの数码闲聊站(Digital Chat Station/DCS)氏によると、アップル初の折りたたみデバイスは、2層構造の超薄型ガラス(UTG)または超薄型フレキシブルガラス(UFG)を採用し、その間にディスプレイを挟み込む構造になるという。

従来の多くの折りたたみ機は、「1枚のUTGに曲げ機構とディスプレイ保護の役割を同時に担わせる」設計だった。これに対しアップルは、ディスプレイをヒンジから物理的に切り離し、機械的な応力を複数のレイヤーに分散させる狙いとみられる。これにより、耐久性の向上や折り目の視認性低減が期待される。

折りたたみ機において、曲げ応力と折り目は密接に関係している。ヒンジ部分に集中する曲げ応力が繰り返されることで、素材が変形を「記憶」し、目立つ折り目として現れるためである。この問題に対処するため、各社は応力分散技術の開発を進めており、サムスンも次期「Galaxy Z Fold8」においてレーザー穿孔金属プレートを採用するとみられている

昨年末には、アップルが次世代UFGのテストを行っていると報じられた。UFGは可変厚ガラスであり、ヒンジ部分を薄くして柔軟性を確保し、それ以外の部分を厚くして剛性と耐久性を持たせることで、応力の最適化を図るものだ。今回の噂は、こうした単板構造から、さらに積層スタック構造へと発展した可能性を示すものである。

また、折りたたみiPhoneのヒンジ素材には、リキッドメタル(液体金属ではなくアモルファス合金)が採用されるとの見方もある。この素材はチタン合金の約2倍の強度を持ちながら、加熱時の成形性に優れ、冷却後も結晶化しにくい特性を持つ金属ガラスだ。ヒンジ部に繰り返し発生する高い応力を緩和し、折り目の発生を抑制する狙いと考えられる。

折りたたみiPhoneは、iPhone 18 Proシリーズと同時に今年9月後半の発売が見込まれている。ただし、最近では12月頃までずれ込む可能性を指摘するアナリストもいる。その他の予想スペックについては、別の記事を参照されたい。

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