Steamでは、AI技術によるアセットやサウンドが作品中にある場合、明記が必要です
広大過ぎるマップで話題のRPG『紅の砂漠』。批判された“AI生成アセット”の差し替え発表

桁違いに広大なマップや、ゲームプレイでの自由度の高さが可能であるなどとして、大きな期待とともに発売されたオープンワールドRPG『紅の砂漠(Crimson Desert)』は販売も好調なようで、記事執筆時点でもSteamの売り上げチャートで4位に位置している(これより上位の作品のうち2つは無料プレイ)。
だが一部のプレイヤーから、ゲーム内にAIで生成されたとおぼしきアセット(ゲームの世界を作るためのプロップやテクスチャーなど)が複数発見されたことが報告されると、開発プロセスでの生成AIの使用を公表していなかったことに対し批判の声が拡がり、開発元のPearl Abyssは謝罪文を発表する事態となっている。
スタジオいわく、AI生成のオブジェクトは開発初期段階でその場面の雰囲気を素早く確認するために使われたが、その後オリジナルデザインのものに置き換えられないまま残ってしまったとのことだ。現在、このゲームのSteamページにはAI生成コンテンツの開示として「一部の2D小道具アセットの制作においては、生成AI技術が補助的な役割として使用されている」「こうしたアセットは、制作パイプラインを通じて当社のアートチームおよび開発チームによって置き換えられ、品質基準とクリエイティブディレクションを満たすよう徹底されている」と記述されている。
そして、今後の対応として「ゲーム内のすべてのアセットに包括的な監査を実施」し、差し替えまたは削除される予定だったアセットはこの後のパッチによって置き換えていくとした。
ゲーム制作の初期段階で、実際のプレイのイメージを得るためにAI生成のアセットを使用することは、いまや珍しいことではない。ただ、本番リリース前に正規のアセットに差し替えきれずに残ってしまうと、それが発見されたときに、生成AIでクリエイターが職を奪われることなどを懸念する一部の人々が過剰な反応を示すことが、最近は多くなっている。
具体的な例としては、Game of The Yearなど数々のゲームに関する賞を獲得したSandfall Interactiveの『Clair Obscur: Expedition 33』で、プレースホルダーのテクスチャーに生成AIが使われていたことが判明し、Indie Game Awardsの年間最優秀作品賞など2つの賞が剥奪される結果を招いた。
また、年末年始ごろに特に人気を博していたEmbark Studiosの『ARC Raiders』も、今回の例と同様にAIで生成したゲーム内アセットを指摘され、差し替えを行った。
これらの例はいずれもゲームの本質的な部分に影響するものではなく、目くじらを立てるほどの問題ではない気もする。だが、過去にはAI生成ではないものの、やはり開発の初期段階に使用されたダミーのゲーム内アセットに、政治的に問題のある画像が使用され、さらにそれが差し替えられずに発売されてしまったことで、販売中止になった作品もあった。ゲーム開発スタジオには、リリース前にこうした問題あるアセットの洗い出しの強化が求められるところだ。
蛇足だが、『紅の砂漠』のリリース後の評価は、ゲームそのものの没入感やスケール感を称賛する声が数多くある。その一方で、一般的なゲームの操作とはかけ離れたコントローラーの操作ボタン割り当てや、視認性の劣悪なUIなどに批判の声が上がっている。
さらに、Pearl Abyssがこの作品がインテル製のGPUであるARCシリーズに対応していないことをリリース後に明らかにしたことで、期待して作品を購入したインテルGPUユーザーに対して返金対応を申し出るに至っている。
なおこれに関して、テクノロジー情報サイトWccftechは、インテルがゲームの開発段階からPearl Abyssに対しARCシリーズ対応をはたらきかけていたものの、Pearl Abyssはこれに対応しなかったとの話を伝えている。紅の砂漠は、インテルが最近出荷を開始したモバイル向けのCore Ultra 300シリーズに統合されているGPUなどでも、動作しないとのことだ。
- Source: Reddit Steam Crimson Desert(X)
- via: Engadget
