PC環境が一変する注目モデルをレビュー

デスクワーク効率化がこれ1台で!ドック内蔵の34型「LGウルトラワイドモニター」で生産性向上

山本竜也

「34BA75QE-B」

モニター上に広い作業領域を確保したいとき、真っ先に思い浮かぶのはデュアルモニター構成だろう。ただ、モニターが2台になると電源ケーブルや映像ケーブルの本数も増え、デスク周りの配線が煩雑になりやすい。こうした問題を解決する手段のひとつがウルトラワイドモニターだ。

そんなユーザーにおすすめしたいのが、LGエレクトロニクス・ジャパンが販売している「34BA75QE-B」(直販価格:82,280円・税込)。34型UWQHD(3440×1440)の21:9ウルトラワイドモニターで、IPSパネル、USB-C(最大90W給電)、KVMスイッチ、有線LAN、電源内蔵、スピーカー内蔵と、デスク周りをさらに整理するための機能を1台に収めたモデルだ。

モニター1枚でも快適、広い表示領域で作業しやすい

パネルは34インチで、3440×1440px(UWQHD)解像度のIPS液晶を採用する。一般的な16:9の27型フルHDと比べると横方向の表示領域が33%広く、ブラウザとスプレッドシートを左右に並べたり、映像編集ソフトのタイムラインを伸ばして表示したりといった作業で、ウィンドウの切り替え頻度を減らして使いやすい。

ブラウザや資料を表示しながらスプレッドシートに入力するといった作業も簡単に行える

色域はsRGBカバー率99%(標準値)。写真の修正や動画の編集、印刷用データの確認、DTP作業など、色の正確さが求められる場面でも一定水準の表示が期待できる。約10.7億色表示にも対応。

輝度300cd/m²、コントラスト比1000:1はオフィス向けのIPSモデルとして標準的なスペックだ。HDR10にも対応しており、対応コンテンツなら自動でHDR表示に切り替わる。

曲率は3800Rとゆるやかな湾曲で、横長の画面全体を自然に見渡しやすい。表面はアンチグレア処理で、照明の多いオフィス環境でも映り込みが抑えられる。視野角は水平・垂直ともに178度と広く、複数人で画面を共有する場面でも色や輝度が変化しにくい。

ほか、応答速度は5ms(GTG/応答速度Faster設定時)、リフレッシュレートは60Hz。ゲーミング用途には向かないが、業務用途での使用には問題ない範囲だ。

湾曲は3800Rと緩やかなので写真などを表示しても歪みにくい

USB-C 1本で映像・給電・データ・LANが完結する

接続環境の中心になるのがUSB Type-C(USB-C)だ。最大90WのUSB PD給電に対応しており、ノートPCをUSB-Cケーブル1本でつなぐだけで、映像出力・充電・USBデバイスの使用・有線LANへの接続がまとめて使える状態になる。

たとえば外出先からノートPCを持ち帰って席に着いたとき、モニターのケーブルを1本差し込むだけで作業環境が整う。キーボードやマウスはモニター側のUSBポートに接続しておけばそのまま使えるし、有線LANも同時に引き込めるので、追加の操作は必要ない。フリーアドレスのオフィスや、在宅と出社を繰り返す働き方では、この「1本で完結する」構成がそのまま着席のルーティンになりそうだ。

映像入力は、USB-CのほかにHDMI×2、DisplayPort 1.4×1を備え、最大3台の映像ソースを入力できる。USBのダウンストリームは4ポート(USB 3.2 Gen 1×1 Type-A)で、キーボード、マウス、USBストレージなどをまとめて接続できる。別途USBハブを用意しなくても、モニター単体でドッキングステーション的な役割を担えるのは実用的だ。

左から、アップストリーム用のUSB-B(3.2 Gen 1×1)、USB-A(3.2 Gen 1×1)×2、USB-C、有線LAN(RJ45)、HDMI×2、DisplayPort
正面向かって右側面にもUSB-A(3.2 Gen 1×1)×2と3.5mmジャックが配置されている。上部にあるのはモニター操作用のOSDジョイスティック

2台のPCを1組のキーボードとマウスで操作

本製品はKVMスイッチを内蔵しており、1組のキーボードとマウスで2台のPCを操作できるのも特徴だ。

1台目をUSB-Cに、2台目をHDMIまたはDisplayPortとUSB Type-B(アップストリーム)に接続することで、画面と入力デバイスをまとめて切り替えられる。切り替え時は内蔵スピーカー・ヘッドホン出力・有線LAN・USBデバイスも同時に切り替わる。

使い方として想定しやすいのは、会社支給のデスクトップPCと個人のノートPCを同じデスクに置いて使い分けるケースや、クリエイティブ環境におけるデスクトップPCとモバイル用ノートPCの併用だ。それぞれのPCを接続しておけば、キーボードを持ち替えたりケーブルを差し替えたりせずに、モニターの設定で接続するPCを切り替えられる。

USBストレージも両PCで共有できるので、ファイルのやり取りも手軽だ。会社PCと私用MacBookを同じデスクに並べているという人にも、同様の使い方ができる。

USBハブを内蔵しているので、キーボードやマウス、USBストレージなども接続して利用できる。ただし、PCとUSB-C以外で接続する場合は、USB Type-Bのアップストリームポートと接続が必要だ

PBP(ピクチャーバイピクチャー)にも対応しており、2台のPCの映像を左右に並べて同時表示することも可能だ。21:9の横長画面はこうした分割表示との相性がよく、それぞれをフルHD相当の広さ(片側1720×1440px)で表示できる。左側にデスクトップPCのメールや社内システムを表示しながら、右側でノートPCの資料を作成するといった使い方がモニター1枚で成立する。

2台のPCの画面を同時に表示可能。もちろん、PCだけではなく、片側でPCの画面、もう片方にゲーム機の画面を表示するといった使い方もできる
2画面分割のほか、右下に小さく表示することも可能

有線LAN・電源内蔵・スピーカーでデスク周りが完結

USBハブ機能を備えるモニターは少なくないが、有線LANポートを搭載するモデルは限られてくる。その点、本機は有線LANポート(1000Base-T)を備えており、USB-C接続のノートPCでもモニター経由でギガビット有線LANに接続できる。

Wi-Fiの安定性に不安がある環境や、セキュリティ上の理由で有線接続が必要なオフィスでも、LANケーブルをモニターに挿しておくだけで対応できるのは手軽だ。

また、34型クラスのモニターでは外付けアダプタが付属するモデルも少なくないが、本製品は電源を本体に内蔵しており、電源ケーブル1本をコンセントにつなぐだけで済む。デスク下のアダプターをなくせる点は地味ながら、配線をまとめたいユーザーには助かる仕様だ。

内蔵スピーカーはMaxxAudio採用で出力は5W×2となる。音質にこだわる用途には物足りないかもしれないが、Web会議で声を聞き取る程度の用途であれば、外部スピーカーなしでも十分使えるだろう。

ACアダプターは不要で電源ケーブル1本で接続できるのは、地味ながらうれしいポイントだ

細かく調整できるスタンド、モニターアームにも対応

スタンドは高さ調整150mm、チルト前5度/後21度、左右スイベル各45度に対応する。座高や椅子の高さに応じて画面位置を細かく動かせるので、長時間作業での姿勢への負担を軽減しやすい。ピボット(縦回転)には対応していないが、21:9のウルトラワイドパネルで縦表示を使う場面はほぼないので、実用上は問題ないだろう。

スタンドの上下可動は150mm
机ギリギリの位置まで下げることができる

VESA規格(100×100mm)に対応しており、モニターアームへの取り付けも可能だ。Kensingtonセキュリティスロットも備えており、共用デスクや来客スペースなど盗難リスクを考慮したい設置環境にも対応できる。ブルーライト低減モード、フリッカーセーフ、色覚調整機能も搭載し、利用者の状況に合わせた設定の幅も一通り確保されている。

本体背面
スタンドを外すと100×100のVESAマウント用のねじ穴がある、右下に見えているのがKensingtonセキュリティスロット

デスク配線をまとめつつ、複数PCを扱いたい人に最適

34BA75QE-Bは、34型UWQHD・IPSパネルという業務用ウルトラワイドに欲しい基本スペックをカバーしている。加えて、90W給電のUSB-C、KVMスイッチ、有線LANが1台にまとまっており、電源内蔵という点も魅力だ。

「モニターを中心にデスク周りを整理したい」「複数のPCをすっきり使い分けたい」というユーザーは少なくないだろう。そんなデスクワーカーの選択肢に、ぜひ入れてほしいモデルだ。

関連キーワード: