ノッチをなくした意味はどこに…

iPhone 14 Pro、パンチホールは2つだが「1つに見える」との予想

Image:ErickPHOTOPRO/Shutterstock.com

今年の「iPhone 14」シリーズのうちProモデルは、画面上部のノッチ(切り欠き)がなくなり、変わって「ピル+ホール」つまり横長と丸い穴が2つのデザインに変更されることが確実とみられている。そこで注目が集まっているのが、ピルとホールの間にある画素をどう扱うか、ということだ。

このスキマにつき、画素の表示をオフにして間をつなぎ、あたかも1つの穴に見えるよう処理するとの予想が有力となっている。

まず話の始まりは、米MacRumorsが匿名の情報筋からの話として、ディスプレイの電源が入っている間はピルとホールは別々の穴には見えず、ひと繋がりの長い形に見えると伝えたことだ。画面上のコンテンツを見るときに目障りにならないようピルの外観を整えるため、アップルは「デッドスペース」(画像の表示に使いにくい)ピクセルをオフにすることを選んだ、というわけだ。

Image:MacRumors

もう1つ興味深いのは、状況により黒く塗りつぶされたエリアを視覚的に(ソフトウェアで)広げるつもりだと主張されていることだ。たとえば左右のステータスアイコンの収まりをよくするために黒い部分を広く取ったり、特定の通知を表示する際には下に向かって大きく丸みを帯びた四角形に拡張できるという。

iPhone 14 Proの新デザインは、まさにノッチの“デッドスペース”を減らすことが目的のはずだ。なぜノッチをなくした後に、わざわざ画面の黒い部分を増やすのか理解できない、との疑いを投げかける声は、当然ながら複数の方面から上がっていた。

しかし、アップルの社内情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者が、この噂は本当だとTwitterで支持を表明した。2つの穴が分離していると使用中に違和感があるとコメントした次第だ。

もともとiPhone 14 Proモデルの「ピル+ホール」デザインは、サプライチェーン筋から流出してきたものだ。この予想を決定づけたRoss Young氏もディスプレイ専門調査会社DSCC所属のアナリストであり、つまり画面パネルなどハードウェア関係者からのリークに基づくものだった。このため、おそらくソフトウェアにより「2つの穴をひと繋がりにする」という可能性が見落とされていたと推測される。

非常に興味深い処理ではあるが、まず「それならディスプレイに穴を2つ開けずに、最初から1つだけ横長の穴を開ければ良かったのでは?」との疑問が湧き上がる。またソフトウェアにより処理しているのであれば、新たなバグや問題が発生する可能性もあるだろう。

そうした数々の疑問が募っていくのも、アップルイベントならでは。ますます9月8日イベントでの「iPhone 14」シリーズの正式発表が楽しみとなりそうだ。

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