Blueskyの方向性は変わりません

BlueskyのグレーバーCEO退任、イノベーション責任者として「ものづくり」回帰へ。暫定の後任はWordPress.com元CEO

Munenori Taniguchi

Image:Bluesky

Blueskyのジェイ・グレーバーCEOは、「Blueskyの新章」と題したブログ記事を公開し、自身のCEO退任と、暫定CEOにトニ・シュナイダー氏が就任する人事を発表した。グレーバー氏はBlueskyを離れるわけではなく、今後はChief Innovation Officer(CINO、最高イノベーション責任者)として、「私は自身の得意分野である新しいものづくりに戻る」と述べている。

グレーバー氏は自身の退任後、正式な後任CEOを探す間は、WordPress.comを運営するAutomatticでCEOを務めていたトニ・シュナイダー氏が、同社の暫定CEOとして「経験豊富なオペレーター兼リーダー」になると述べた。

TwitterのCEOだったジャック・ドーシー氏が分散型SNSプロトコルの研究プロジェクトとしてBlueskyの開発を開始した初期から、グレーバー氏はこのサービスに関わってきた。そして、2021年にBlueskyが独立企業としての歩みを始めたときにCEOに就任した。

以後、Twitterとの提携終了、コンセプトや資金面でBlueskyの初期を支えたジャック・ドーシー氏の取締役退任などを経験しつつも、Blueskyは同氏の舵取りのもと、身の丈に合った着実な成長を遂げてきた。現在、Blueskyのユーザー数は4300万人とされている。

Image:bella1105/Shutterstock.com

グレーバー氏は「この会社を拡大していくことは、他に類を見ない学びの経験」だったと述べ、同時期に登場したThreadsの当初のような派手さを控え、招待制を敷いてゆっくりと足場を固めながら成長してきたBlueskyの5年間を振り返った。そして「会社が成長するにつれ、(チームとして、また自分自身としても)人は自分の情熱と強みが重なる役割に就いた時に、力を発揮できることに気づいた」とし「より集中した役割へと移行し、自分にエネルギーを与えられる仕事に就くことは、この信念を実践していくための方法」だと、CEO退任に至った心境を述べた。

暫定CEOとして、グレーバー氏が担ってきた役割を引き受けるシュナイダー氏は、Blueskyへの投稿で「Blueskyの暫定CEOに就任することを大変嬉しく思う。このチームが築き上げてきたもの、そして彼らが目指すオープンなソーシャルウェブを深く信じている」と述べた。

さらに、自身のウェブページでは、暫定CEOの役割を引き受けたのは「Blueskyの使命を深く信じているから」だと述べ、「長年(ベンチャーキャピタルの)True Venturesのパートナーを務めてきたが、この仕事の大きな特権の一つは、真に困難な課題に取り組む企業たちの最前列で活動できることだ。Blueskyもまさにそのような企業のひとつであり、より実践的な形で同社に貢献できる時が来たときに、まさに絶好のタイミングだと感じた」と語っている。

同氏は、Blueskyのシード投資家だった2年前に初めてグレーバー氏らBluesky幹部に会い、話をした際には、分散型SNSには懐疑的だったと述べている。しかし、彼らのビジョンを聞き、そしてさらに重要なことに、彼らが構築したATプロトコルのしくみについて学んだことで、Blueskyの信奉者になり、投資家兼アドバイザーとしてグレーバー氏をサポートするようになったとのことだ。

今後は「ものづくり」の現場に戻るというグレーバー氏だが、CINOおよび取締役として、引き続きBlueskyの重要な意志決定の場では発言権を持つはずだ。シュナイダー氏も「プロトコルの長期的なアーキテクチャとビジョンに焦点を当てた彼女(グレーバー氏)の姿勢は、私たちを刺激的な新たな領域へと前進させてくれるだろう」と述べており、ポジションは変わるもののこれまでと変わらず支援を続ける意志を示した。

さらに従業員へのメッセージでシュナイダー氏は「私の仕事は現状を変えることではない」「私の目標は、皆さんがそれを継続するために必要なものをすべて確実に提供することだ」と述べ、ATプロトコルの開発についても「オープンプラットフォームは、サードパーティ開発者からの信頼を得て初めて発展していく。われわれはその信頼を獲得し、完全な分散型システムの構築に向けて引き続き取り組んでいく」とした。

ちなみに、シュナイダー氏は暫定CEOに就任するものの、これまで同様True Venturesのパートナーとしての役割も継続する。トップの名前は変わるものの、Blueskyそのものはこれまでと変わらず成長を続けていくことになりそうだ。

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