もはやゲーム機プラットフォームではなくなる?

次世代Xboxは「Windows PC」になるのか。専用タイトル消滅の可能性

多根清史

Image:Natanael Ginting/Shutterstock.com

次世代Xbox「Project Helix」は、これまでのXboxのような専用設計のゲーム機ではなく、Windowsベースの高性能PCとして開発中だと報じられている。

これは著名リーカーSneakersSO氏が、ゲーム情報フォーラムNeoGAFで述べた内容だ。同氏は、次世代Xboxが「PCハイブリッドコンソール」としてSteamやEpic、GOGなどのサードパーティーストアにも対応する可能性を、正式発表前から何度か主張してきた人物である。

今回の投稿によると、次世代Xboxは「ネイティブコンソールSKU」(そのゲーム機専用の仕様書に基づいて作られる製品)ではなく、Windows Storeで配信されるゲームを動かすために設計された特殊なPCアーキテクチャを採用するという。

この新システムは、ROG Ally Xで見られるような「Windows Full Screen Experience(FSE/全画面表示エクスペリエンス)」によって、コンソール体験を「エミュレート」する仕組みだ。実質的には「セットトップボックス型PC」となる。つまり、通常のデスクトップ画面をスキップし、Xboxアプリを全画面のホーム画面として起動することで、ゲーム機のように振る舞わせるというわけだ。

さらに、開発者がXbox専用にビルドターゲットを設定する「ネイティブなXbox SKU」は廃止され、Windows Store向けのUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)ビルドを公開する形になるという。UWPとは、PCやタブレットなど多様なWindowsデバイスで1つのアプリを動かせる仕組みであり、そのファミリーに次世代Xboxが加わることになる。

過去のXboxライブラリは、後方互換のエミュレーションによって引き続き利用できる。しかし今後はXbox限定の新規タイトルは作れなくなり、独占ゲームは「絶対に復活しない」と見込まれている。

また、この新ハードが高額なニッチ製品になることを、マイクロソフトの上層部は十分理解しているという。彼らは爆発的に売れるとは考えておらず、売れ行きが伸びなかった場合、それを「最後の棺桶のクギ」としてハードウェア事業を畳む口実にする可能性があると推測されている。

Xbox事業の新CEOアシャ・シャルマ氏は、既存プロジェクトを引き継ぐ形でこれを進めているとされる。方向性自体は彼女が就任する以前から決まっており、すでに多額の資金が投じられているため、最後までやり遂げるしかない状況のようだ。

次世代Xboxに独占タイトルが存在しないとすれば、PS6と直接競合することはないだろう。むしろValveのSteam Machineと、PC寄りの市場で競い合う展開になりそうだ。Xboxはもはやゲーム機プラットフォームとしての役割を終えつつあり、マイクロソフトはソフトウェアパブリッシャーと「ニッチな高級ゲーミングPC」提供者へと変貌しようとしているようである。

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