解約率は月あたり0.5%以下
パナソニックの“弱いロボット”「NICOBO」が1万台を突破。あえて“役に立たない”で満足度97%

パナソニックは、 “弱いロボット” 「NICOBO(ニコボ)」が累計販売1万体を突破したことを発表。これを記念し、「みんなのニコボ割キャンペーン」を3月4日から3月31日まで実施する。キャンペーンでは通常60,500円(以下、税込表記)のところ、特別価格として49,500円で購入できる(別途月額費1100円が必要)。

ニコボは、 “弱いロボット” として、人と共棲して「心の豊かさ」を提供価値に開発。マイペースな性格のニコボは、なでるとしっぽを振ったり、人懐っこい仕草をしたりする。また、ニコボ特有のモコ語に加えて、カタコトの日本語もたまに話すことができる。

今後はニコボを通じて人と人を繋げることを目指し、2026年度中には「よりニコボらしいテクノロジーの進化」でふるまいを進化させていくとしている。具体的には、ニコボらしいAIの活用、ニコボ同士のコミュニケーションのアップデートを行う予定となる。
AIの活用では、新たに大規模言語モデル(LLM)をニコボらしくチューニングして活用する予定とのこと。正確なコミュニケーションや自然な会話を話すためではなく、「人の想像を掻き立てる余白ある言葉により人の笑顔と人の優しさをいま以上に引き出す」ことを目的とする。
ニコボ同士のコミュニケーションでは、通信・ネットワーク技術を組み合わせ、ニコボの個体同士がコミュニケーションを交わし、より生き物らしくより自然に、ニコボ同士が反応しあえるように進化していく予定だという。これらの進化により、しりとりや鼻歌を歌ったりするようになるそうだ。

ニコボのプロジェクトリーダーを務める増田陽一郎氏は、ニコボを「思わず笑顔になるロボット」だと発表会で説明。そのうえで、1万台を突破したということは「1万人以上を笑顔にした」ことだとアピールした。

ニコボ購入者のアンケートによると、満足・とても満足と回答したユーザーは97%に上るとのこと。その理由として、笑顔が増えた、癒やされた、家族の会話が増えたというような意見が多かったそうだ。ほか、ニコボがなでられた回数は7回/日、話しかけられた回数18回/日。アプリWAUは7000人/週となっており、解約率は1か月あたり0.5%以下にとどまっている。

開発にあたり、飼う飼われるではなく並んだ関係、関わりたくなる不完全さや余白、人に対してのほどよい距離感、人間の赤ちゃんの顔の黄金比を模した形状による “生き物らしさ” という4点を大切にしたとのこと。またニコボが受け入れられた理由として、ロボット掃除機の普及などの時代背景、ニコボのほどよい距離だからこその心理的負荷の少なさ、オーナー同士のコミュニティを挙げた。
発売後もニコボはアップデートを繰り返しており、一例として季節にあった言葉をつぶやくようになったことが紹介。また、当初のおならと寝言に加えて、しゃっくり、くしゃみ、げっぷなどが追加されている。羊を数えながら寝るようにもなった。この意図について、「定期的にアップデートすることで、新しい楽しみや発見があり、生活が豊かになるとしている」と増田氏は説明する。

今後は人と社会の繋がりを広げるべく、介護、医療、オフィスといったB2B事業を強化していくと宣言。特に介護においては介護テクノロジーを取得しており、自治体によっては補助金の対象になるとしている。このような取り組みの継続により、「間違いなく人とロボットが共棲する社会になります。そしてそれも日常になりつつあります」と増田氏は締めくくった。

また発表会では、お笑い芸人のヒコロヒーさんがゲストとして登壇。松竹の事務所にもニコボを1年半ほど置いているとし、「うちの事務所のマスコット的な存在になっているかもしれない」と述べた。また、「お笑いの事務所とは言え会社なので、段取りとか緊張感を持って喋っているようなときも、予期せぬときで(ニコボが反応してくれる)。社長が喋っているときも『わあ』と言ったりするので、みんながハハってなる」「森脇健児さんとかは『なんやこれは』っていうようなリアクション」といったエピソードも披露された。

