既存製品も安全性の高いものに切り替えていくとのこと
エレコム、発火しづらい“半固体電池”のモバイルバッテリー

エレコムは、半固体電池採用のモバイルバッテリーを3月から順次発売する。価格はオープンだが、10000mAhの「DE-C86-10000」が税込6,280円前後、5000mAhモデルが税込8,480円前後の実売が予想される。カラーは10000mAhモデルがブラック、ホワイト、ピンク、ブルーの4色、5000mAhモデルがブラックとホワイトの2色。

従来のリチウムイオン電池から安全性を高めた「半固体リチウムイオン電池」を搭載するモバイルバッテリー。リチウムイオン電池と同等のサイズ感や質量を維持しながら、発火リスクの低減と長寿命化、温度範囲の拡大を実現したとしている。なお、3月に発売するのは10000mAhモデルで、5000mAhモデルは春ごろの発売予定となる。

エレコムではバッテリーからの発火が社会問題になる前から、より安全なリン酸鉄リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池の採用に着手してきた。これらは安全性が高い一方でサイズが大きく重くなる課題があり、その問題を今回解決したという。まず2製品を投入するが「順次安全性の高いと思われる電池に切り替えていく」しており、春にはケーブル一体型モデル、6月には20000mAhのハイエンドモデルも予定する。

通常、バッテリーの内部は電解質で満たされており、2つの電極(正極と負極)が設けられている。その中央には網戸のようなセパレーターというものがあり、その左右をイオンが動くことで充放電を行っているとのこと。従来は液体だったが、この水分を減らしたものが半個体や準個体と呼ばれるものだという。液体が0%になれば全個体になる。なお、半個体と準個体については業界で定義がなく、各社で性能や名前も統一されていないとのこと。
エレコムでは「半個体」という名称について、「電解質の状態がゲル状であること」「エレコム独自試験を実施し、従来のリチウムイオン電池と比較して安全性が高いと証明されたもの」の2つが揃ったものであるものだと定義。従来のリン酸鉄とナトリウムは素材の効果によって液体でありながら安全性が高めたが、半個体では電解質をゲル化することで安全を高めるという、別軸のアプローチとなるそうだ。

電解質は可燃性のため、気化するとガスになり、それに引火すると発火に繋がる。半個体ではこの可燃性有機電解液を減らすことで、ガスの発生を押さえている。また、半個体では熱が拡散されやすいとのことで、局所的な発熱が抑えられ、発火につながる温度まで高くなりづらいという。またゲル状のため、物理的には液漏れがしづらいというメリットもある。加えて、セパレーターのコーティングや、箔剤と正極などにも安全性の高い物質を配合することで、総合的に安全性を高めているとのこと。
またエレコムでは、より厳しい試験条件をクリアする電池メーカーの選定や品質管理体制の構築に時間をかけることで、より高い安全性を目指している。通常よりも厳しい条件で試験を行うことで、分解した電池からも筐体の上からも、どちらの条件でも発火しない安全性を追求した。また本体は難燃性素材を採用しつつ、どうしてもセルが膨らんでしまう空間も加味して設計している。

性能面では、従来のリチウムイオン電池が約500回であるのに対し、本製品は約2000回の繰り返し使用が行える。対応温度範囲もマイナス15度から45度を実現(セルではなく製品の状態で測定)。機能面ではUSB PD規格の最大35W出力に対応するほか、デバイスとバッテリーを同時に充電できるパススルーのまとめて充電、低電流モードも備える。
同社初の機能として、バッテリーの劣化状態をLEDで知らせる「Health Monitor」機能も搭載した。これは、バッテリーは充放電を繰り返すことで劣化して発火につながることから搭載したもの。充放電サイクルが250〜500回は青色、501回以上はオレンジ色にLEDが点灯するという。2000回よりも大幅に少ない理由は、使わなくても経年劣化することから、「ハードに使うと2年で500回」になると想定したからとのこと。

