背景には昨年のCrowdStrike事件

Windowsの「ブルースクリーン」終了へ。ブルーからブラックに、約40年ぶりの刷新

多根清史

Image:Mashka/Shutterstock.com

マイクロソフトは、Windowsのエラーメッセージ画面として長年親しまれてきた「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」を約40年ぶりに刷新し、今後は「ブラックスクリーン・オブ・デス(略称は同じBSOD)」として黒色の画面に変更することを正式に発表した。

従来の青い背景や悲しい顔のアイコン、QRコードは廃止され、より簡素な黒一色の画面へと移行する。マイクロソフトは今年4月、「予期せぬ再起動のための新しい、より合理化されたUIをプレビューしている」と述べており、これが正式に採用されるかたちとなった。

Image:Microsoft

新しいBSODのデザインは、Windowsアップデート時に表示される黒い画面に似ている。しかし、クラッシュ時にはストップコード(16進数のエラーコード)や問題のあるシステムドライバー情報が表示されるため、IT管理者がPCからクラッシュダンプを抽出し、専用ツールで分析する手間が軽減される。

なお、これまで表示されていたQRコードは、マイクロソフトの公式サポートページへのリンクに過ぎなかった。すべてのストップエラーで共通のものであり、ユーザーが自ら情報を検索し、解決策を探す必要があった。

マイクロソフトのセキュリティ部門を統括する副社長David Weston氏は、The Vergeの取材に対し、この新しいBSODは2025年夏以降のWindows 11アップデートで導入される予定であると述べている。同時に展開される新機能「Quick Machine Recovery」は、起動不能になったPCの復旧を迅速にすることが狙いだという。

これらの変更は、昨年発生したCrowdStrike事件を受け、Windowsの信頼性と回復力を高めるための広範な取り組みの一環とのこと。この事件では、サイバーセキュリティ企業のアップデートに起因して、世界中で約850万台のWindowsデバイスに障害が発生し、病院、銀行、交通機関、医療機関といった重要インフラが一時的に停止に追い込まれた。

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