これが誇り高きアメリカのクオリティ

トランプの金ピカスマホ「T1 Phone」から“アメリカ製”の文字消える。仕様も一部ダウン

Munenori Taniguchi

Image:Trump Mobile

トランプ大統領が所有するTrump Organizationが発表したTrump Mobileの「T1 Phone」は、その説明において「米国製」であることをセールスポイントのひとつとし、ウェブサイトでも「MADE IN THE USA」を大々的に掲げて米国製であるとの印象を見る者にアピールしていた。

ところが、この製品の発表直後から、このスマートフォンが米国製だとすれば、499ドルなどという価格ではとうてい採算が合わないとの指摘が相次ぎ、疑念の目が向けられることになった。

そして今週、Trump Mobileのウェブサイトから、このスマートフォンを米国製だと主張する記述がすべて取り除かれていることが判明した。

記事執筆時点で同製品のページには、「Premium Performance. Proudly American(アメリカが誇るプレミアムな性能)」、「designed with American values in mind(アメリカ人の価値観を念頭に開発)」、「American hands behind every device.(あらゆるデバイスにアメリカ人の手がかかっている)」など、この製品がいかに親アメリカ的かを、漠然と述べる文言に変わっている。

製品仕様についての部分にも「American-Proud Design(アメリカの誇り高きデザイン)」と記されているが、これらは実際のところ、具体的に何かを指し示したりはしていない。

変わったのはアメリカ製の表記だけではない。むしろこちらの方が商品としては重要な気もするが、発表時と現在とで、T1 Phoneの仕様が書き換えられているのだ。

たとえば発表時にはディスプレイに「6.78インチAMOLED」を採用するとされていたところが、いまは6.25インチとだけ書かれている。さらに12GBとアナウンスされていたRAM容量も、現在は記載がなくなっている。そしてとどめは、発表時の資料やウェブサイトに9月と(一部は8月とも)表記していたT1 Phoneの発売時期を、現在は年内とだけ記している。

このことに関する問い合わせに対して、Trump Mobileは回答していない。テクノロジー情報サイトのThe Vergeなどは、Trump Mobileが発表後にT1 Phoneの製造元を変更した可能性があるとの見解を示している。

ちなみに、3Dレンダリングまたは加工されていると指摘されていたT1 Phoneの製品画像は、なにも変わっていない模様だ。

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