オーバードライブ非搭載のためと推測
Switch 2、画面の応答速度は“初代から劣化”との分析。バッテリー持ち確保のためか

Nintendo Switch 2は、初代Switchに比べて大幅に性能が向上しているものの、内蔵ディスプレイに関しては否定的な評価も少なくない。ビデオゲーム技術の専門家からは、HDRが実用性に乏しく、VRR(可変リフレッシュレート)も十分に機能していないと指摘されていた。
さらに新たな実測結果により、Switch 2のディスプレイは初代Switchと比べて約50%も応答速度が遅いことが明らかとなった。
この調査を行ったのは、ディスプレイやモニターの性能を専門的にレビューするYouTubeチャンネル「Monitor Unboxed」だ。同チャンネルは通常、PCモニターをHDMIなどの外部入力経由でテストパターンを表示し、専用機器によって自動化された計測を行っている。しかし、Switch 2には外部入力端子が存在しないため、今回は手動による特殊なテスト手法が採用された。
具体的には、Switch 2の画面上で「20種類のグレーからグレーへの遷移」を表示させ、スローモーションカメラで映像を撮影。その映像をフレーム単位で解析し、画面の応答速度を割り出すという工程である。
この結果、Switch 2の平均応答速度は33ミリ秒と判明した。これは初代Switchの21ミリ秒はおろか、一般的なPCモニターの6〜20ミリ秒よりもはるかに遅い。
Monitor Unboxedは、この圧倒的な遅さの背景には「オーバードライブ技術の不採用」があるという。オーバードライブとは、液晶ディスプレイにおける残像やブレを軽減する技術で、画面の色が切り替わる際に液晶分子の動きを加速させるため、一時的に高い電圧をかけて応答速度を向上させる手法である。
多くのゲーミングモニターや高性能ディスプレイには標準搭載されている技術だが、Switch 2ではこのオーバードライブが省略されている可能性が高い。その理由として、同機のディスプレイが大型化・高解像度化したことでバッテリーの消耗が激しく、携帯機としての駆動時間を確保する必要があったと考えられている。
さらに、Switch 2の液晶パネル自体が、低電圧での動作を前提に設計されている可能性も指摘されている。これにより消費電力は抑えられるが、その代償として応答速度がさらに悪化しているという。スペック上は高性能に見えても、実際のゲームプレイではブレやぼやけといった表示の遅延が目立つというわけだ。
Monitor Unboxedは、将来的にSwitch 2の有機ELモデルが登場すれば、パネル自体の応答速度が大幅に改善される可能性があるともコメントしている。
ただし、現時点での日本国内価格が税込5万円未満であることを考慮すると、当面は有機ELの搭載は現実的ではないだろう。それでも、サムスンが将来モデルに自社製有機ELパネルを採用するよう任天堂に働きかけているとの噂もあり、数年後には実現するかもしれない。
- Source: Monitor Unboxed(YouTube)
- via: Wccftech