監督は前作脚本のアーロン・ソーキン
映画『ソーシャルネットワーク』続編が制作開始。米議会襲撃などFacebookの社会への影響に焦点

映画監督・脚本家のアーロン・ソーキンが、オスカー受賞映画『ソーシャル・ネットワーク』の続編の制作に着手した。
エンタメ情報サイトDeadlineなどが報じたところによると、この作品はソーキン脚本、デヴィッド・フィンチャー監督で制作された前作の直接の続編ではなく、Wall Street Journal紙に掲載され、前トランプ政権当時の2020年1月6日に発生した米議会襲撃事件や、10代を含む若者世代への影響などに焦点を当てた『The Facebook Files』を基にして描き出されるという。
確かにFacebookといえば、最も成功したSNSのひとつではあるものの、スキャンダルには事欠かない。数年前には、Facebookが提供したユーザー個人情報を不正に利用し、米国の選挙操作や英国のEU離脱に強く影響したとされるCambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)の問題が世界を愕然とさせた。
また、共同創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ本人も、2021年に突然、これからは仮想現実(Virtual Reality:VR)の時代になるとの思い(思い込み?)を強め、企業名をFacebookからMetaに変更したり。なぜか格闘技にのめり込んで試合に出場する様子などをSNSに投稿しはじめ、それを見て挑発してきたイーロン・マスクと本気で試合をしようともしていた。
なお、Cambridge Analytica問題は、Netflixが『グレート・ハック: SNS史上最悪のスキャンダル』と題したドキュメンタリー作品として映像化しているため、もし興味と視聴環境がある場合は視聴してみると良いかもしれない。
前作『ソーシャル・ネットワーク』ではフィンチャーが監督を務めたが、近年ソーキンは監督業でも頭角を現しており、2017年の『モリーズ・ゲーム』では、アカデミーの脚色賞にノミネートして、伝記・法廷ものの監督として評価を得ている。
現段階では、『ソーシャル・ネットワーク』続編は制作を開始したと言えるようになったばかりであり、前作でマーク・ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグや、ザッカーバーグとともにFacebookを創業したエドゥアルド・サベリン役のアンドリュー・ガーフィールドらオリジナルキャストが再び出演するかまでは、まだ決まっていない。当然ながら、ザッカーバーグの役柄は必要だろうが、それ以外の登場人物がどうなるかは、まだまだわからない。
近年は若い世代の新規ユーザー獲得に苦戦しているとされるFacebookだが、この映画の主な視聴者の世代も高めになりそうではあり、前作同様に大きな注目を集めることになりそうだ。