サムスン製スマートグラスはこの技術がベースになる模様

Google製スマートグラス、コンパニオンアプリ「Martha」で通知・録画・設定に対応か

多根清史

Image:Google

Googleは昨年末にAndroid XRスマートグラスを発表して以降、そのプロトタイプを何度か公開してきた。2024年5月にはXREALと共同開発中の「Project Aura」を披露していたが、それとは別に、Googleが独自に開発を進めるデバイスも存在している。前者は市販化を前提とした製品であり、後者は主に技術検証や開発者向け用途に位置づけられている。

このGoogle独自開発のAndroid XRスマートグラスは、社内では「Martha(マーサ)」というコードネームで呼ばれており、Pixel Watchに似たスマートフォン用のコンパニオンアプリも存在することが明らかとなった。

検索エンジン関連ニュースで知られるSE Roundtableは、Instagram上で発見されたGoogle製スマートグラスのクローズアップ写真を転載しており、その画像から「Google Martha」という開発名が表示されていることが確認できる。

Image:sayed3li97/Instagram

コンパニオンアプリはPixel Watch用アプリを簡素化した印象であり、基本的なレイアウトは共通している。アプリ内には「通知」「設定」「視界の録画」「フィードバック送信」「問題報告」などの基本機能が備わっており、現時点ではテスター向けの未完成バージョンと見られる。

このGoogle製スマートグラスはまだプロトタイプ段階にあるが、2026年にはサムスンがこの技術を基にした製品を発売する予定であるという報道も出ている。

なお、Googleは2025年5月に開催されたGoogle I/Oにて、自社製Android XRスマートグラスの概要をすでに発表している。

スマートグラスにはカメラ、マイク、スピーカー、小型ディスプレイが内蔵されており、スマートフォンを取り出すことなく、写真や動画の撮影、メッセージ送信、ナビゲーション、予定管理などが可能とされる。また、Gemini AIによるリアルタイム翻訳機能も搭載されており、会話内容をその場で字幕表示することで、言語の壁を越えた体験が提供されるという。

さらに、Google I/Oの会場で実施されたハンズオンの報告によれば、テンプル(つる)部分にタッチ操作が可能なセンサーが搭載されており、そこからAIアシスタント「Gemini」を呼び出せる設計になっていた。ディスプレイは右レンズの一部にのみ配置されており、情報は “チラ見” する程度で表示される。視野角は狭めで、没入感はあまりないとのことだ。

それでも、従来のARグラスと比べて実用性は大幅に向上しているようである。ただし、これだけ多機能なデバイスである以上、実際に販売された際の価格も気になるところだ。

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