どうやって米国内で完全製造するか不明
トランプ大統領がスマホ業界参入? 金ピカの「T1 Phone」と通信サービスを発表

米トランプ大統領の一族が経営するドナルド・オーガニゼーションは、自社ブランドの携帯電話サービス「Trump Mobile」と、499ドルのスマートフォン「T1 Phone」を発表した。
Trump Mobileは、「The 47 Plan」と呼ばれる月額47.45ドルの単一プランを提供する。この価格は、トランプ氏が第45代および第47代大統領であるという立場にちなんだものだう。同プランは、米国内の主要3キャリアと同等の通信エリアをカバーすると謳われており、100か国以上との国際通話・テキストメッセージが無料、加えて遠隔医療やロードサービスなどの付帯サービスも利用できる。
このプランは既存のスマートフォンでも利用可能だが、希望者にはゴールド仕上げの専用端末「T1 Phone」が販売される。このスマートフォンは「米国内で設計・製造された」と主張されているが、具体的な製造元については明かされていない。現在、100ドルの預かり金(デポジット)による予約受付が開始されており、発売は2025年8月から9月と見込まれている。
製品ページによると、T1 Phoneの主な仕様は以下のとおりである。
- ゴールドカラー、背面にアメリカ国旗の刻印
- Android 15搭載
- 6.8インチAMOLEDディスプレイ(120Hz対応)
- 12GB RAM、256GBストレージ(microSDで拡張可能)
- 50MPメインカメラ、16MPフロントカメラ
- 指紋認証・顔認証対応
- 5,000mAhバッテリー(20W急速充電)
- イヤホンジャックおよびUSB Type-C搭載
しかし、この端末に関する画像には不自然な点も多い。たとえば「Make America Great Again」の文字が表示されたプロモーション画像は、Photoshopで加工された可能性が高く、トリプルカメラの配置は最新のiPhone Proシリーズに似ているが、レンズ位置が不自然でフラッシュも確認できない。
さらに、仕様表ではプロセッサーの型番が未記載であり、RAMを誤ってストレージと表記するなど、複数の記載ミスも見受けられる。
今回の発表は、関連会社DTTM Operations LLCが「Trump」および「T1」の商標を米国特許商標庁に出願した直後のタイミングで行われた。ただし、「T1」という名称はT-Mobileのブランド名に類似しており、商標上の異議申し立てが生じる可能性があると専門家は指摘している。
また、トランプ・オーガニゼーション自身がサービスの運営や端末製造を直接担うのではなく、他社へのライセンス供与にとどまっている。そして米国内では、スマートフォンを完全製造できるインフラがほとんど存在しないことから、本当に「米国製」と呼べるのか、どこで生産されるのかについて、多くの米主要メディアが疑問を呈している。
さらに大統領の一族が通信事業に参入することに関し、利益相反や規制機関との関係性に関する懸念も高まりつつある。金ピカのT1スマートフォンが実際に発売されるのか、今後の展開を注視したいところである。
- Source: TrumpMobile
- via: The Verge Reuters