狭い会議室への設置を想定して設計

Jabra、小会議室向けのビデオ会議システム「PanaCast 40 VBS」。“狭い部屋”に最適化、デュアルカメラで180度対応

編集部:平山洸太

GNオーディオジャパンは、Jabraブランドの法人向けビデオバーシステム「PanaCast 40 VBS」を8月に発売する。価格は未定。

最大6名に対応する、小会議室向けを想定したコンパクトな設計のビデオバー。同ブランドでは、すでに最大6〜12名対応の中会議室向けモデル「PanaCast 50 VBS」を展開しているが、その小型モデルが拡充される格好となる。

特徴となるのは、デュアルカメラの採用による水平画角180度画角への対応。PanaCast 50 VBSでは3つのカメラを利用して180度画角を実現していたが、本製品では2つのカメラで180度画角を実現している。なお、垂直画角は50度。解像度は4Kで、4倍のデジタルズームに対応する。

デュアルカメラを採用

狭い会議室での使用を想定し、カメラは40cmの焦点距離を採用。PanaCast 50 VBSの80cmよりも短く設計することで、より近くに座った場合にもピントのあった映像が得られる。

ビームフォーミングアレイのノイズキャンセリングマイクを6つ搭載する。スピーカーは1つのみ(PanaCast 50 VBSは2つ)。背面にはHDMI出力端子を1系統備えており、1台のディスプレイに映像出力することが可能(PanaCast 50 VBSは2台のディスプレイに対応)。

ビデオ会議を行っている様子。投影されている映像は、もう1台のPanaCast 40 VBSを利用したもの

設置はウォールマウント、テーブルスタンド、スクリーンマウントに加えて、三脚を使った設置にも対応。テーブルスタンドについては、PanaCast 50およびPanaCast 50 VBSと共有で使えるものとなる。

なお、ビデオバーのカバーは脱着に対応しており、デフォルトでは布製だが、オプションとしてプラスチック製で清掃しやすいイージークリーンカバーも用意する。

タッチコントローラー「JabraコントロールIP」にはAndroid 13を搭載し、Microsoft Device Ecosystem Platformに基づき構築。初期セットアップで、Teams Rooms、Zoom Rooms、自分のデバイスを接続するBYODモードを選ぶことができる。また、同社製品をクラウドで一元管理できるサブスクリプションサービスのJabra+にも対応する。

「JabraコントロールIP」

アクセシビリティ面では、タッチコントローラーのUIの表示カラーを色覚特性にあわせて3種類から選ぶことが可能。さらに補聴器接続用AUX接続を備えており、「Jabra TV Streamer+」を接続することで、AuraCastを用いて補聴器に会議音声をワイヤレス伝送できる。

小さな会議室の97%にはビデオ会議システムが未導入

発表会では同社代表取締役社長の安藤靖氏が登壇し、小さな会議室におけるビデオ会議のニーズと、そのマーケットについてプレゼント行った。

近年のトレンドについて、2024年末までに90%の会社がオフィス勤務を義務化(ハイブリッドワークも含む)しており、2026年には全員がオフィス勤務になると各企業代表者の64%は考えているとのこと。そのような状況で「出勤したいと思える環境づくりを整備したいというのが会社のミッションになっている」と安藤氏は話す。

一方で安藤氏によると、利用率が高いという「小さな会議室」におけるビデオ会議環境の整備がいま求められているとのこと。日本にある会議室が100万〜110万といわれるなか、小会議室の割合は約37%(37〜40万)に上るという。しかし、小会議室のうち「3%でしかビデオ会議に必要な設備が整っていないというのが現状」であるそうだ。

日本にある小会議室は37万〜40万とのこと

小会議室が足りない場合は、自席でオンライン会議に入る、対面では廊下やオープンスペースで話す、といった対策が行われている現状だと安藤氏は指摘。今後は大会議室から小会議室への転換が増えていくことが予想されるという。そのような状況のなか、より大規模向けなモデルも視野に入れつつも、「まずは37万の小会議室の3%しか設備が整っていないこの市場にむけて、PanaCast 40 VBSを提案したい」と意気込みを示した。

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