任天堂はユーザー保護を強調
Switch 2、音声チャットは録音される仕様。ただし最後3分間&トラブル時のみ任天堂に送信

任天堂は、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」に搭載される公式ゲームチャット機能に関して、ユーザーの音声チャットを記録する可能性があると警告している。
これは、Switch 2の発売に先立ってプライバシーポリシーを更新し、「他のユーザーとのビデオおよび音声のやり取りを監視および記録する場合がある」と明記したことで判明した。この文言は2025年5月に追加されたものであり、初代Switchでは(少なくとも本体単体では)音声チャット機能が存在しなかったことから、Switch 2の新機能に対応した改訂とみられる。
さらに、Switch 2でゲームチャット機能を初めて利用する際には、ゲーム機上で表示される「ゲームチャット利用規約」に同意する必要がある。この規約においても、チャット内容が「一時的に記録・保存される」ことが明記されており、記録はユーザー本人のシステムおよびチャット相手側のシステム双方に保存されるとされている。
ただし、これらの記録は任天堂が自動的に収集するものではなく、ユーザーがコミュニティガイドライン違反を報告した場合に限り、任天堂と共有される仕組みである。つまり、すべての音声チャットが常時監視・収集されているわけではなく、トラブル時のみ任天堂へ送信される設計になっている。
報告機能の仕様としては、ユーザーが「最新3件のゲームチャットセッションの各最後3分間の記録を確認し、特定のセクションを強調表示してレビューできる」とされている。これは、チャット全体を完全に保存するのではなく、一時的なバッファとして記録する仕組みであることを示唆している。
さらに利用規約には、「これらの記録は、報告が24時間以内に提出された場合に限り利用可能」と明記されており、提出がない場合、記録は24時間以内にローカルストレージからも削除されるようだ。
また、ユーザーから報告が提出された場合、任天堂は「当局、裁判所、弁護士、あるいは報告内容を審査する下請け業者など、第三者に特定の情報を開示する可能性がある」とも警告している。このような記録と共有の仕組みに同意しない限り、ゲームチャット機能は利用できない。
任天堂は、こうした録音および審査システムの目的について、「ゲームチャット利用者、特に未成年者を保護するため」であり、「コミュニティガイドラインの遵守を支援するため」と強調している。人力によるチャットのレビューはゲーム業界ではすでに一般的な手法であり、スマートホームアシスタントなど他分野でも広く用いられている。
このように、「録音データは基本的に端末内にローカル保存し、トラブルが発生した場合のみ、時間制限付きで任天堂に送信する」という姿勢は、ユーザーのプライバシーを最大限尊重するものといえる。マイクロソフトやソニーも同様の音声チャットの安全対策を導入しており、任天堂もまた、業界標準に準じた設計を採用したかたちである。
- Source: 任天堂 Ars Technica